カテゴリー

アーカイブ

アーカイブ

検索

2021.04.07日々の出来事

カサゴの産卵

息子の拓海は釣りに行ったり岸壁から魚をすくってきたりして飼育するのが好きで、またしても玄関内に水槽や衣装ケースに海水を入れて魚を飼っている。
この時期は水温が低いため、衣装ケースには比較的地味なカサゴ2、カワハギ1、ハナオコゼ1、ハリセンボン、アメフラシが入っている。別の水槽にはハコフグが単独で飼育されている。
今晩食事を終えて仕事に行こうと衣装ケースを見ると、水面に雲のようなものが浮いている。すぐさま息子を呼んで見せた。「拓海、これ何かわかる?」、「え、油かなんかじゃないの?ちょっと気にはなってたんだけど」という返事。よく見てみいやとライトを当てて観察させると、「え、え、え、何これ!卵?」ととても興奮した様子。
「よく見てみいや、動きゆうろ」。「あ、ほんまや、泳ぎゆう。お母さん、早く早く」と突如玄関口で生き物観察会が始まった。
カサゴは卵胎生の魚でお腹の中で卵をかえして仔魚(稚魚になる前段階)で産む、と図鑑にかかれてあることが、今目の前で繰り広げられている。
メスの総排泄口のあたりからはまだ帯状に仔魚の塊が漏れ出していた。産み出されるとすぐにチョンチョンと小刻みに動き回る様がかわいい。
私も産み出される瞬間を見るのは初めてだった。
その後産み出された仔魚をすくい取り、別の水槽にいれ飼育するといいだした。水槽の水を少し入れ替えるため夜、波打ち際から海水を汲んできた。
餌の問題があるが、明日は顕微鏡で観察させてやろうと思っている。
毎日じっくり観察すると色んな発見が生まれてくるんだよと、拓海に教えた。
図鑑等で見聞きして頭で知ってると言うことと、実際見て覚えることとは雲泥の差がある。この日のことを拓海はきっと忘れないだろうと思った。